富本憲吉 作『柿釉 湯呑』 買取価格相場|骨董品買取 緑和堂。富本憲吉作の【染附 湯呑】の名品です。近代陶芸の巨匠であり人間国宝にも認定された富本憲吉は、やきものの絵付として「書(文字)」を芸術的に取り入れたことでも知られています。彼は漢字や仮名、アルファベットをモダンな意匠として器に昇華させました。富本憲吉における「書」は、単なる情報の伝達ではなく、器の形状と調和するデザイン(模様)として扱われました。当作品も書の内容と字の伸びやかさが調和した清々しい気分が横溢しています。端正な器形の胴部には、闊達な筆致で「低思髙處」と揮毫されています。この「低思髙處」と云う言葉は、イギリスのロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースの詩集『エクスカーション(The Excursion)』の第4巻にある有名な一節、"Low and devious haunts of lowly men, / Where thought can be more lofty than the stars." を訳したものです。この詩句は、「どれほど貧しく目立たない生活を送っていようとも、人間の精神や内面的な思索は、誰にも縛られず、宇宙のように広大で高尚な境地に達することができる」という、ワーズワースらしい人間への深い洞察と民主的な敬意が込められた表現です。富本憲吉自身の「流行に流されず、独自の芸術的理想を貫く」という彼の創作哲学を反映している座右の銘だったのでしょう。お品の状態は使用痕もなく新品同様です。ぐい呑みとしてお使いになるのも良いのではないでしょうか。作品サイズ・高さ7.1㎝ 口径7.4㎝ 重量209g